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ベッドを1台足すと、宿泊人数は何人増えるのか — 160室の実績で見る「ベッド別の実効人数」

ベッドを1台足すと、宿泊人数は何人増えるのか — 160室の実績で見る「ベッド別の実効人数」

前回、民泊の売上を決めるのは看板の定員ではなく実際の宿泊人数だと書きました。では、その人数を増やすにはどのベッドを置けばいいのか。当社が運営する160室の直近1年の実績で、「同じ構成の部屋にベッドを1台足すと、実際の平均宿泊人数が何人増えるか」をベッドの種類ごとに比べました。

対象は直近1年に予約10件以上の実績がある160室です。数値は傾向が分かる範囲で丸めています。

SUMMARYこの記事の結論

  • ベッド1台の実効人数は、ダブル約1名・シングル0.5〜0.6名・布団とソファベッド約0.5名
  • ダブルは4台目から効きが目に見えて落ちる。大きい部屋の最後の1台はシングルが確実
  • ベッドの効果の半分は面積。ベッドを詰めるより1人あたりの空間を確保する

比べ方:他のベッドが同じ部屋どうしで「1台の差」を見る

「ダブル4台の部屋」と「ダブル4台+ソファベッド1台の部屋」のように、他のベッド構成がまったく同じで、そのベッドだけ1台多い部屋を組にして、平均宿泊人数の差を取りました。定員やADRで揃えるのではなく、ベッドの中身で揃えるのがポイントです。ベッドの種類ごとに数組〜十数組を比べています。

ベッドを1台足す平均人数の増加(目安)
ダブル約1名
シングル0.5〜0.6名
布団約0.5名
ソファベッド約0.5名

名目定員に対して、ダブルは2名のうち約1名、シングル・布団・ソファベッドは1名のうち約0.5名が実際に使われている、という見方ができます。

POINTダブル1台 ≒ シングル1.5〜2台弱

名目上はシングル2台分ですが、実際にはそれより少し下。同じ面積にどちらを何台置けるか、で決めてよい差です。

ダブルは4台目から効きが落ちる

ダブルだけの部屋で、台数を1台ずつ増やしたときの平均人数の変化です。

ダブルの台数1台あたりの増加(目安)
1台 → 2台1名強
2台 → 3台1名強
3台 → 4台1名強
4台 → 5台1名を割る

3台目までは1台足すごとに1名強ずつ増えますが、4台目から5台目への増加はその6割程度にとどまります。定員8名前後を超えると、来るグループの人数のほうが頭打ちになるためです。大人数向けの部屋でベッドを足しても、その分の人数は来ません。

シングルは規模に関係なく安定して効く

シングルを1台足したときの増加は、ダブル1〜4台のどの部屋でも0.5〜1名で、ダブルのような頭打ちが見られませんでした。組の数が少ないので断定はできませんが、「大きい部屋にn台目のベッドを足すなら、シングルがいちばん確実」という傾向は出ています。

奇数人数のグループ、子供と別に寝たい家族、友人どうしの旅行は、ダブルより「1人1台」を選びます。大人数向けの部屋の最後の1台は、ダブルよりシングルのほうが実際に使われやすい、と言えそうです。

ソファベッドは「小さい部屋では効く、大きい部屋では効かない」

ソファベッドを1台足したときの増加を、部屋の規模で分けて見ます。

部屋の規模ソファベッド1台の効果
ダブル1〜3台の部屋(定員2〜6名)+0.5〜1名前後
ダブル4台以上の部屋(定員8名以上)ほぼ0、または微減

定員6名以下では、ソファベッドはシングルと同じくらい機能しています。カップル+1名、親子3人のような使い方です。

一方、ダブル4台以上の部屋ではソファベッドを足しても平均人数は増えていません。この規模の比較は組が少ないので確定的ではありませんが、方向は一貫しています。大人数のグループは「ベッドの数が足りる部屋」を選ぶので、ソファベッドで定員を上乗せしても、その定員を使う客は来ないためだと考えています。

POINT大人数向けの部屋では、ソファベッドを定員に数えない

定員8名以上の部屋でソファベッドを置くなら、「リビングの家具」として置き、定員には入れない。定員に入れると、その分だけ使われない定員(=コストだけの定員)になります。

布団は人数には効くが、1名あたり単価は下がる

布団を1枚足したときの増加は0.3〜0.5名。シングルよりやや低い程度で、人数への効果はあります。

ただし単価には別の効き方をします。最大人数7名以上の部屋を布団の有無で比べると、布団のある部屋は1名あたりADRが数百円〜1,000円強低く、子供の割合がやや高い。布団で定員を作った部屋は、小さい子供を含む家族グループに売れています。子供が人数に含まれる分、1名あたりの単価は下がります。

これは設計の選択です。「家族向けに人数で売る部屋」には布団を入れ、「大人グループに単価で売る部屋」には入れない。先に決めておくと、あとで「思ったより単価が出ない」と悩まずに済みます。

補足:ベッドの効果の半分は「面積」

今回の比較には一つ限界があります。ダブルを1台多く置いた部屋は、面積もひと回りからふた回り広い。ベッドを増やせるのは広い部屋だからです。ベッドと面積を同時に入れて計算し直すと、ベッドの効果はどれもおおむね半分になり、残りは面積で説明できました。目安として、数十㎡広がるごとに平均人数が1名ほど増えます。

「ベッドを足したから人数が増えた」のうち、半分程度は「広いから人数が増えた」です。ベッドを詰めて作った定員より、1人あたりの空間に余裕がある定員のほうが、実際に使われます。

まとめ

  • ベッド1台あたりの実効人数:ダブル約1名、シングル0.5〜0.6名、布団・ソファベッド約0.5名
  • ダブルは3台目まで1台1名強。4台目からは1名を割る
  • 大きい部屋の最後の1台は、ダブルよりシングルのほうが使われる
  • ソファベッドは定員6名以下では効く。8名以上では定員に数えない
  • 布団は人数に効くが単価は下がる。家族向けの部屋にだけ入れる
  • ベッドの効果の半分は面積。ベッドを詰めるより1人あたりの空間を確保する

ベッドの並べ方で「来る人数」を大きく変えることはできません。変えられるのは「その人数がいくら払って、どれだけ快適に泊まるか」のほうです。新規物件のベッド設計は、無料の収益シミュレーションからご相談ください。

KYO

この記事を書いた人

KYO

入社8年目。ゲスト対応からコンサルティング、収益計画、運用の仕組みづくりまで、民泊・ホテル運用の業務をひと通り担当してきました。 ブログでは感覚だけではなく数字で判断できる情報をオーナー様目線で書いていきます。

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